増田地域センター(横手市増田町増田新町)で11月22日、防災意識の啓発などに使われるカードゲーム「クロスロード」の体験会が開かれた。
「阪神・淡路大震災」で災害対応にあたった神戸市職員へのインタビューを基に作成され、防災教材に使われる二択型カードゲーム「クロスロード」。「人数分用意できない緊急食料を配るかどうか」「ペットを避難所に連れて行くかどうか」など、いずれを選んでも犠牲を払わなければならないような場面が多く登場することが特徴。
「増田地域センター運営協議会住民生活部」が同地区の防災意識の啓発を目的に体験会を企画した。
地元住民40人ほどが参加して開かれた当日。体験会で講師を務めたのは元仙台地震防災アドバイザーの太田千尋さん。「現実の災害対応でもジレンマを多く抱える。自分たちで話し合いローカルルールを作ることも重要。日頃から災害時の対応を意識することで、慌てない行動につなげられるはず」。
ゲームのルール上使われる300個ほどの座布団を制った増田高校の阿部華穂さんは「座布団作りは大変だった。このゲームは自分と異なる意見が聞けるなど想像していたよりも楽しかった。家庭で防災について話し合う機会にできれば」と話す。
山形市で開かれた勉強会で同ゲームに出会ったという同協議会の小坂将人さんは「地域防災に新しい担い手や若い人を巻き込むにはゲームという手法が最適。ゲームを通して『リスクコミュニケーション』という考えが地域に浸透するきっかけになれば」と体験会を振り返った。
12月13日には岩手県立大学滝沢キャンパス(岩手県滝沢市)を会場に「クロスロードのつどい全国大会」が開催される。