スマートフォンの位置情報機能を使ったオンライン陣取りゲーム「Ingress(イングレス)」の公式イベント「First Saturday」が12月5日、「秋田ふるさと村」(横手市赤坂字富ケ沢)を会場に開かれ、市内外から集まった約60人がプレーを楽しんだ。
グーグル社のスタートアップ事業として2013年にサービスを始め、世界中のファンに楽しまれる同ゲーム。現在、同社から独立した「ナイアンティックラボ」が運営し、これまでのダウンロード数1100万件を超える。
2つの陣営に分かれて、史跡や公共施設、銅像など、まちなかに実在する拠点を奪い合いながら陣地を広げることを競う。実際にまちなかに足を運ばないと遊ぶことができないゲームの仕様から、現在、交流人口の増加や観光振興を目的に活用する自治体や、プロモーションに利用する企業も増えている。
「ゲームのファンを増やすことで、市内の交流人口増につなげられるのでは」と、同市在住の小坂将人さんら有志14人が10月、「YokoteいんぐれすCLUB」を立ち上げ、ゲーム運営元が認定する初心者向け公式体験会を企画。小坂さんらの手ほどきを受けながら、ゲームを通じた交流を楽しんだ。
盛岡市から訪れた男性は「横手市を訪れたのは初めて。普段はゲーム上でやり取りしている人に会って交流ができた。横手の施設や食も楽しめた」と話す。
自治体として同ゲームの研究に取り組んだ岩手県庁の関係者らとも交流を深めたという小坂さんは「実際にプレーすることを通じて、ゲームの楽しさやまちの魅力を伝えたい。インフラ的要素のあるゲームの仕組みを活用して、少しでも経済効果にも波及してほしい」とゲーム会を振り返った。