湯沢市皆瀬地区で4月5日、1月から雪中貯蔵していた食品の蔵出し作業が行われた。
同エリアなど豪雪地帯でリンゴや日本酒などの貯蔵に生かされる「雪中貯蔵」。生活に支障を来すことのある積雪を逆手に取り、リンゴなどの甘みが増す雪中貯蔵の特長を地域資源として活用して商品化につなげようと2021年6月、市内の若手事業者ら約4名が声を掛け合い、「秋田・湯沢雪中貯蔵協会」を立ち上げ、2社が初めてリンゴとネギを雪中貯蔵した。
2年目の今年は、試験的にさまざまな食品を保存してみようと事業者を募り、1月に野菜や果物、日本酒などのほか、茶葉やクリ、コーヒー豆などを保存用20フィート型コンテナに貯蔵した。
茶葉を貯蔵した富谷商店(湯沢市大町)の冨谷美智子さんは「青々としたきれいな茶の色が出た。味わいもコクが増したように感じる」と茶葉の雪中貯蔵の成果に手応えを得た様子だった。
「貯蔵物が凍るなどの失敗もあった前回の経験を生かして、今回は雪の量を調整するなどして、コンテナ内の温度を約0度、湿度を90%以上に保つことに成功した」と同協会会長の吉村和幸さん「当地の雪で価値を付加することで、さまざまな商品のブランディングにつなげていきたい。将来的に雪室を観光スポットにできれば」と意欲を見せる。
蔵出し商品は、道の駅十文字(横手市十文字町)や地元商店、ECサイトなどで販売を予定する。