「増田の町並み案内所『ほたる』」(横手市増田町増田)で5月10日、「リノベーションによるまちづくり」をテーマとした勉強会が行われた。主催は横手市観光連盟。
居住者の目線に立った新しい賃貸住宅の仕組みを実践し注目を集める青木純さんを講師に迎え、地域住民や学生など約50人の参加者が熱心に耳を傾けた。
青木さん自らが携わる、入居が決まってから大家と居住者が一体となり部屋をリフォームする「メゾン青樹」(東京都豊島区)の住民同士がつながりを生む賃貸住宅の仕組みや、小さなエリアを対象に戦略的なまちづくりを行う「北九州家守舎」(福岡県北九州市)の小倉地区魚町商店街での取り組み、4月2日に開園した園内レストランなどを併設する「南池袋公園」(東京都豊島区)のリニューアルなど「公共」と「地域づくり」にかかわる物件活用の事例を多数紹介した。
青木さんは、空き家活用イベント「リノベーションスクール」を例に上げ、不動産オーナーと事業者などを結びつけ、空き家・空き店舗を「空間資源」として捉え直し「空き物件を時代に合ったコンテンツに置き換え新しい担い手を呼びこむことや、新しい公民連携と民間自立型の責任あるまちづくりの重要性」を訴えた。
参加した地元高校生の「責任ある市民になり地域貢献するために私たち学生は何をしたら良いのか」との質問に、青木さんは「全国チェーン店よりも地元の個人商店を利用するなど地域オリジナルのコンテンツに目を向けてみては」と答えた。
勉強会を企画した担当者は「増田地域だけではなく横手市全体で『住んで良し、訪れて良し』と評価されるようなまちづくりを考えていきたい。勉強会を重ねながら、年内にはリノベーションスクールなどの実践的な取り組みにスピード感を持って進めていければ」と意欲を見せる。