横手のホップ畑(横手市大雄)で6月4日、ビールの原材料となるホップの「つる下げ体験」が行われた。主催は、横手市、大雄ホップ農業協同組合、キリンビール、キリン。
横手市大雄地区を中心に栽培が盛んなホップの生産量維持と新規就農者参入を目的に協働で初開催した。同地区は46年前からホップ生産を行っており、横手市のホップ生産量は全国2位を誇る。
この日は、同組合員の山本克雄さんのホップ畑で、地元の高校生や農業後継者ら約50人がつる下げ作業を体験した。
キリンの須賀香菜美さんによると、ビールの香りや苦みを生み出し、雑菌の繁殖を抑え泡持ちをよくする役割があることから「ビールの魂」と呼ばれるホップだが、農家の高齢化と後継者不足により2005年からの10年間で国産ホップの生産量は半減。同地区も1980年代のピーク時には農家数約130戸で年間140トン以上生産していたが、現在は50戸・47トンほどという。
つる下げ体験の後には、横手産のアスパラやシイタケなどの農産物やいぶりがっこなどの発酵食文化をビールと共に味わう「ビアツーリズム」モニターツアーも行われた。
この日の作業に参加した増田高校3年生の鈴木愛海さんは「横手でホップを生産していることは知らなかった。つる下げ作業は簡単にできると思っていたが、体験してみると複雑な作業も面白くまたやってみたい」と話す。