焼き鳥店「 やきとり小山 」(横手市平鹿町浅舞)が10月29日、閉店した。
店主の小山茂さん・ナツさんが1984(昭和59)年に創業し、現在の店舗で19年間、テークアウト専門の焼き鳥店として営業を続けてきた同店。若どり、かしら、なんこつ、つくねなど10種以上のネタを、炭火で焼き上げる焼き鳥が人気だった。
閉店2週間ほど前から、うわさを聞きつけたファンで行列は途切れることがなく、閉店時間を待たず店頭から商品が無くなり店じまいする日もあった。
常連客の一人は「できればもっと続けてほしかった。田植えや稲刈りなどの農繁期に晩御飯のおかずにしたり、人が集まる時は酒のつまみにしたり、じいちゃんばあちゃん子どもと3世代でお世話になった」と話す。
創業当初からスタッフとして働いていた髙橋八重さんは「店舗も老朽化し、スタッフも皆70歳前後で体力的にきつくどうにもならない。お客さんから声も掛けていただくが、焼き台の前は夏になると40度を軽く超え煙の前でずっと立ちっぱなしのきつい仕事だった」と振り返る。
ナツさんは「昨年急逝したマスター(茂さん)の味を守り続けていきたかったため自分たちとしても残念。盆正月や祭りの時期は20人も30人も並んで、目が回るほど忙しかった。最初の店を始めてから34年間、お客さんに支えてもらい長く続けることができ感謝している」と笑顔をみせる。