平鹿町の浅舞酒造(横手市平鹿町浅舞)で2月7日、年に一度の蔵開きイベント「天の戸まつり」が行われた。
今回から1,000円のチケット制となった同イベント。同社の主力銘柄「天の戸」「夏田冬蔵」や品評会出品酒、酒袋から搾りたての新酒など約30種の地酒が試飲でき、かす汁と天ぷら、マシュマロのかす漬けなど蔵人(くろうど)が手作りしたおつまみセットや、近隣の飲食店などが用意した酒のアテと共に味を確かめることができる。
杜氏(とうじ)の森谷康市さんが会場で手書きするオリジナルラベルの限定酒を販売するほか、県内工芸家のガラスや陶器の展示販売会、5種の銘柄を当てる利き酒コーナーなども開かれ、ジャズトランペッッターが即興演奏を披露するなど、約750人の来場者は多彩な催しも楽しんだ。
同蔵の酒造りは、酒蔵から半径5キロ以内で栽培された酒米だけを使った仕込みと純米へのこだわりで知られ、安心と味の追求から自ら米づくりも行う。こうした取り組みで全国的に支持され、この日も首都圏などからの県外ファンも数多く訪れた。
森谷さんは「年に一度の『まつり』として、大人だけでなく子どもたちにも楽しんでもらえるよう、ボランティアも合わせて65人のスタッフでもてなした。当蔵だけでなく地域も一緒に盛り上げていきたい」と話す。
妻の実家がある秋田市に帰省中というフランス人のニコラ・ロンジャラスさんは「ローカル感のあるイベントでとても感動した。フランスで飲む日本酒とは味も違う。酒のイメージが変わった」と話し土産用の地酒を買い求めていた。