澁谷デザイン事務所(秋田県美郷町)で5月14日・15日、東北各地の荒物屋や金物屋から集めた掘り出し物を販売する「春一番」が行われ、多くの家族連れや買い物客でにぎわいを見せた。
県内作家の工芸品やキッチン雑貨など日用品を取り扱う雑貨店「ミンカ」(大仙市大曲通町)の佐藤美博さんと、同デザイン事務所の澁谷和之さんが「昔懐かしい商品にも新しい発見や現在には無い良さがある。集めて販売したら喜んでもらえるのでは」と企画。例年この時期に開き今年で3回目となった。
絵本と紙ものを扱う「すずらん舎」の中古絵本コーナーや近郊の農家が直売する「春一番の春市場」のほか、写真家の船橋陽馬さんが抱擁写真を撮影する「ハグ一番」や隣接する等心寺境内で行われたシンガー・ソングライターで妖怪歌姫こと「青谷明日香」さんと新米ママの「本城奈々」さんのライブなど多彩な催しで来場者を楽しませた。
「取り扱う昭和の雑貨や手仕事の商品は素材やデザインなど全てが魅力。環境や生活スタイルが変わり今では生産されなくなってしまったものも数多くある。今後もこうしたプロダクトの魅力を伝えていけたら」と佐藤さん。
澁谷さんは「『秋田の春に何かうかれたい』と2人で始めたイベント。多くの人に特別な時間を一緒に楽しんでもらえてとてもありがたい。『春一番』は今年で最後だが、この経験を次の『面白い』企画につなげていけたら」と、これまでを振り返った。