秋田県立近代美術館(横手市赤坂富ケ沢)で現在、特別展「橘小夢(さゆめ)とその時代展~幻の画家、ふるさとに咲く」が開かれている。
湯沢市や美郷町などで新たに発見された画家・橘小夢の掛け軸やびょうぶ絵など初公開作品10点のほか、雑誌「淑女画報」や江戸川乱歩「押絵と旅する男」などの挿絵、「唐人お吉」や「お蝶夫人」などを題材とした版画やペン画など150点以上、竹久夢二や高畠華宵(かしょう)など同時代にモダンな表現で活躍した画家の作品122点を展示する。
秋田市に生まれ、病弱だった幼少期を旧六郷町で過ごし、画業に専念するため16歳で上京した橘小夢は、大正から昭和の初めにかけあでやかで幻想的な独特の画風で愛好家から支持を得ていた。秋田で大規模な展示を行うのは今回が初めて。
同美術館の奈良香さんは「湯沢市の歌人・帯屋久太郎と親交を深めたことから県内には小夢の作品が数多く残っている。少女漫画やイラストレーションにも通じる展示作品を、気軽に地元の人にも楽しんでもらえたら」と来場を呼び掛ける。
開館時間は9時30分~17時。入場料は、一般=1,000円、学生=500円、中学生以下無料。11月27日まで。