秋田の特産品「いぶりがっこ」の出来栄えを競う「いぶりんピック」が2月4日、横手市山内公民館(横手市山内)で開かれた。
秋田名物として全国的に人気の高まる燻(いぶ)しダイコンの漬物「いぶりがっこ」。県内で広く生産されるが、横手市山内地域が本場とされ、約100軒の農家などがそれぞれの味で生産していることで知られる。
「いぶりんピック」は産地としての知名度や生産の技術、品質の向上を目指すことを目的に、「山内いぶりがっこ生産者の会」と市が10年前から開く。審査は、天然由来の材料のみを使った「いぶりがっこクラシカル部門」として行われ、優勝者には杉で作られた「金樽(だる)」が贈られる。
今年は市内から18人の生産者が、工夫を凝らした「いぶりがっこ」を出品。味や歯応え、見た目などで審査した結果、81歳で最高齢参加者の中村勇一さんが見事優勝を果たした。中村さんは県内酒造メーカーで杜氏(とうじ)を49年務め、引退後にいぶりがっこの生産を開始。10回目の挑戦で初めて「金樽」を獲得した。
中村さんは「杜氏の経験を生かした麹(こうじ)と蜂蜜を原料に使った点がポイント。出品した『いぶりがっこ』は家族や友人においしく食べてもらいたい。今年で漬物作りを辞めようとも考えていたが、来年も参加できれば」と喜びを語った。