十文字町の工務店「岩村建匠」(横手市十文字町、TEL 090-9741-7579)が3月4日、もみ殻を使った固形燃料「モミガライト」製造機を試験運転した。
県内での導入は、にかほ市・大潟村に続き3例目。モミガライトは、稲作で生じる「もみ殻」を「グラインドミル」と呼ばれる専用の機械ですりつぶし、圧縮し熱を加え固めたもの。広葉樹のまきと同じように使うことができる。バイオマス燃料として温室ガスの抑制効果があり、まきと比較して再生サイクルが短く保管も容易といった利点があるという。
この日は、製造元の「トロムソ」(広島県)から先月末に届いたばかりの同機械を試験運転し、約1立方メートルのもみ殻を原料に、長さ約30センチメートル、約1キログラムの固形燃料を約80本作った。近隣の住民も見学に訪れ、出来上がった製品を手に取ったり、製造方法を聞いたりしていた。
同機導入のきっかけは、同工務店の岩村優幸さんが「横手は米の産地で年間1万トン以上のもみ殻が発生している。これを有効利用できれば」と考えたこと。アウトドア好きの岩村さんは2013年からキャンプや地域のイベントなどで調理用の炭の代わりにモミガライトを使ったり、自宅に設置したまきストーブで使ったりしながら導入を検討してきた。
岩村さんは「グラインドミルは固形燃料のほかに、稲の苗床や花卉(かき)・野菜の培地として利用可能な『すりつぶしもみ殻』なども作ることができる」と説明。「これをきっかけに、地域から生まれる資源を有効に利用する循環型の社会やエコな暮らしについて、地域の人を巻き込みながら一緒に考えていければ」と話す。「機械が無事に動いてほっとした。今年の秋に本格稼働を目指している。興味がある方は見学も受け付けている」とも。