西馬音内盆踊り会館(羽後町)で1月15日、小正月行事「みかんまき」が行われた。
結婚や出産、新築などの祝い事のあった家々が旧暦の1月15日、健康や五穀豊穣(ほうじょう)を祈念して「ミカン」を見物客にまく同行事。戦前から同地区各所で行われてきたが、2005年に同会館がオープンして以降、近隣の家庭や企業から寄せられたミカンを同会館前で共同でまくようになった。
当日用意したミカンは56箱。会場では、近隣に住む家族連れや年配者など約70人が開始予定時刻の18時に合わせて30分以上前から集まり始め、西馬音内盆踊りのおはやしも披露された。
例年、同会館2階からミカンをまくが、今年は積雪が少ないことから、1階入り口前で行った。
同町在住の女性は「たくさんのミカンがまかれるので毎年楽しみにしている」と話す。集まった人々は、ミカンと一緒にまかれた紅白の餅や菓子などを競うように拾い集め、買い物袋をいっぱいにして帰路についた。
同町観光物産協会の斉藤恒治さんは「私の高祖父の時代には行われていたと聞く。以前は『ここの家は結婚した。あそこの家は家を建てた』などと申し合わせて家々を回ったものだ」と話す。