湯沢市出身の教師・高橋一也さんが日本人としては唯一招かれ、アラブ首長国連邦のドバイで行われた「グローバル・ティーチャー・プライズ」表彰式のパブリックビューイングが3月13日深夜、雄勝文化会館(湯沢市)で開かれた。
高橋一也さんがノミネートされたパプリックビューイング会場の様子
イギリスの非営利団体「パーキー財団」が設立し、教育分野で優れた功績を残した教師を表彰する「教育分野のノーベル賞」とも称される国際的な同賞。世界148カ国・約8000人の応募者の中から選ばれたファイナリスト10人が参加する最終審査と表彰式に、日本人としては初めて高橋さんが招かれた。
高橋さんは旧雄勝町出身で湯沢高等学校を卒業後、慶応義塾大学文学部に進学。同大学院修了後に渡米し、効果的で効率的な教育を設計・開発するための方法論「インストラクショナル・デザイン」を研究した。2008年から教壇に立ち、現在は工学院大学付属中学校・高校(東京都八王子市)で組み立て玩具の「LEGO」やICTを取り入れ、既成観念にとらわれない「21世紀型教育」を実践する。
イギリスの理論物理学者・ホーキング博士から同賞ノミネート者の名前が読み上げられ、10番目に高橋さんの名前が呼ばれると、100人以上集まった会場からは大きな歓声と拍手が沸き起こった。ローマ教皇の祝福の言葉と共に発表された大賞受賞者に高橋さんの名前はなかったが、会場からは温かい拍手が送られた。
会場で見守った高橋さんの両親は「遅い時間にも関わらず、一也のために集まってくださった皆さんには感謝している。さまざまな縁でここまで来られたのだと思う。ドバイから戻ったら『ごくろうさん』と声を掛けたい」とあいさつした。