羽後町で1月30日、昔ながらの嫁入り風景を再現した「花嫁道中」が行われた。
田代商店会と雪とぴあ七曲実行委員会が毎年行っている同行事は、今年で31年目。昔ながらの馬ソリを使い、同町の西馬音内地区から田代地区の旧長谷山邸を結ぶ12キロを5時間かけて進む。ろうそくの明かりで照らされた道中は、難所の「七曲り峠」が4キロ以上続く。
この日の嫁入り行列は、馬引きや長持ち担ぎなど合わせて約20人が参加。馬ソリには、和装の新郎新婦と仲人たち6人が乗り込んだ。途中のかがり火広場や梺郷の目児童館では馬ソリを降り、花嫁の披露と餅まきなどを行った。
ちょうちんを持った先導役を先頭に、旧長谷山邸に到着したのは20時頃。多くの観客に出迎えられ、会場に設置した岩屋馬頭観音の雪像に向かい、二人の良縁を祈願した。
仲人を務めた阿部雄太さん、真由美さん夫妻は「新郎とは同級生。馬ソリの中では、沿道に同僚やご近所さん、学生時代の恩師などを見かける度に、思い出話に花が咲くなど和やかな雰囲気」と話す。
花婿の高橋新悟さんと花嫁の純子さんは「今日峠を越えたように、二人でどんな困難も乗り越え、笑顔があふれる家庭を築くことができれば」と声をそろえる。