版画家・渡邊庄三郎の作品展「THE 新版画 版元」が7月20日、秋田県立近代美術館(横手市赤坂)で始まった。
明治末期から昭和にかけて、浮世絵の木版技術を生かして外国人画家の作品の版画化を試み、「新版画」のジャンルを築いた業績で知られる渡邊庄三郎。同展では、孫の章一郎さんが代表を務める渡邊木版美術画舗(東京都中央区)が「新版画の誕生」「多彩な美人画の世界」「新たな風景画の出現」「モダン役者絵」「花鳥新版画の魅力」の5テーマに分け、183点の版画作品を展示する。秋田県内の風景を描いた作品5点も特別展示する。
7月19日に行われた開会式で、章一郎さんは、版画の「ぼかし摺(す)り」「ざら摺り」などの手すり作品ならではの特徴の説明や、新版画の歴史や絵師、彫師、摺(すり)師について、館内を回りながら解説した。
同美術館学芸員の秋田達也さんは「色の段階を分ける、木版画の高い技術を使い、光と影、水などの繊細な表情を表現している点に注目して見てもらえたら」と話す。
営業時間は9時30分~17時。入館料は、一般=1,200円、高校・大学生=800円、中学生以下無料。9月23日まで。